Shroud of the Avatar Video Transcript #2 (Part 3 of 3)


原文引用元
Mitch's Blog
http://mitchellhamilton.blogspot.ca/

(1:01:15 - 1:28:52)

*Start of Part 3 (1:01:15)*

PART1/3はこちら
PART2/3はこちら

ストーリーに関してはこれ以上話せることはないですか?


ストーリーについて今はあまり話せないのですが、少しだけ。
最初のエピソード(SotA: Forsaken Virtues)では、なぜ悪が世界に蔓延るようになったのか、が明らかになります。
あなたがこの世界に足を踏み入れ、最初に目にするものは中世の世界と原始的な機械文明のテクノロジー、そして悪の隆盛です。
文明のテクノロジーは富裕層の一部だけが独占しています。
その悪はただ無目的なものではありません。モンスター達を駆り、街に破壊と混乱をもたらすだけでなく、なにかの計画の下に行動を起こしているように見えます。
まずあなたの最初の目的は、悪の正体は何か?そしてその目的は何なのか?
それを突き止めるために行動することです。
そしてそれが分かったとき、エピソード2が始まる、という具合になります。

以前、RoosterTeethのインタビューを受ける前にアップルIIを起動させたんだけど、その時にチャクルス(訳注:Ultimaシリーズにおけるプログラマー)と話をしたよ。

アップルIIにチャクルスが作ったCaverns of Callisto"があったんで連絡したんだけど、当のチャクルスが自分で作ったゲームのことを忘れてたんだ。
白黒表示の古風なゲームで、記憶に残るほどの作品じゃなかったようだね。

子供のキャラクターの殺害について
意外に思われるかもしれませんが、これはとてもいい質問です。
子供キャラを殺すことに楽しみを見出すプレイヤーがいるかどうかはわかりませんが、Ultima4
の制作当初のコンセプトとして、自身の行いがすべて徳の概念に反映するようにしようと思っていました。
そしてプレイヤーを試すために、ダンジョンにさまざまな仕掛けを施した部屋をつくりました。
それは部屋の四隅に檻があり、その中に子供のキャラクターが閉じ込められています。そして、部屋の中央にはレバーがあります。当然、作動させれば檻が開放され、子供達のキャラクターは助かるとプレイヤーは思うに違いありません。
しかし、実際はレバーを作動させると子供達をモンスターへと変身させてしまう仕掛けなのです。
こうなると、プレイヤーであるあなたは、徳に逆らい元は子供だったモンスターを皆殺しにするか、黙って殺されるか、の選択しかありません。
ここで重要な点は、プレイヤーに元子供のモンスターを殺せば徳のポイントを失うかもしれない、と考えさせることが出来たことです。
実際に殺してもポイントは増減することはありませんが、ポイントの増減無しに道徳的なジレンマをプレイヤーに与えられるかどうか当時は確信がもてなかったのです。

ある日、私のオフィスに兄(註:ロバート・ギャリオット、RGの実兄。Origin Systems立ち上げの際にはロバートが社長、リチャードがクリエイティブ・ディレクターの肩書きであった。)が入ってきて、一通の手紙を渡してきた。QA部署(Quality Assurance:品質保証、テスター)のある人物からのものだ。その内容はミスターギャリオット、私はこの業務(ゲームテスター)を拒否します。子供に対して明らかに暴力を加えるような描写があるからです。というものだった。
子供に対する暴力描写って、オマエはいったい何をやったんだ?とロバートは言いましたが、私は当初一体なんのことだかわからなかった。
そこでこの手紙を書いた人物を探して聞いてみたところ、例の上記の部屋の件だと分かったんだ。
あの部屋に入ってレバーを引いたら子供達を殺すハメになってしまった。これは不適切な表現ではないか。"と彼は言った。
兄はあの部屋をゲームから削除すべきだ、と言ったが私は反対した。
初見のプレイヤーに非常に感情的なインパクトを与えられたのは事実だ、むしろ好材料としてゲームに取り入れよう。それに殺すか殺されるか、だけが選択肢じゃない。最初からレバーに触らないという選択も出来る。と言ったんだ。
もしレバーを作動させても、逃げるなり、魔法で眠らせれば子供達を傷つけることもない。剣を使わず、パンチを食らわして相手を逃走させることだって出来る。
子供達を殺す以外にも選択肢は沢山あるんだ!と主張して、兄弟ケンカになっちゃったね。
兄はあくまであの部屋を削除するようにいい続け、さらに両親にロビー活動までして、家庭の平和の為にもあの部屋は削除するように仕向けたが、私は断固として反対した。あの部屋はゲームに入れる、と。
かくしてゲームはリリースされた。あの部屋の件について、怒ったり文句を付けてくる人もいなかった。ネガティブ、ポジティブなレスポンスもなかった。
それから、私はゲームに子供のキャラクターが殺されてしまう描写を取り入れるようになった。ある1作を除いて。それは私が今まで手がけた最後の作品で、同僚のスーザン・キャスが反対したんだ。
今作のゲームでは子供を殺す描写はありません、スーザンもいるしね。
皆さんもご覧になったかも知れませんが、今作のプロトタイプの中でスーザンというキャラクターが狼に殺されてしまうシーンがあります。ゲームの中で最初に殺されてしまうキャラクターです。
子供のキャラクターが殺されてしまうくらいなら私を、というわけです。


ボートは操縦できますか?

CS:
レスしちゃダメだ。彼はトロルです、インターネット・トロル!スルーして!
(訳注:インターネット・トロル(いわゆる荒し、BBS戦士等と称される、チャットやフォーラムにおいて否定的な書き込みを続ける類いのユーザーのこと)

RG:
おや、ロシアの方もいるようですね。
*RG、ロシア語を話す*


プロトタイプ版のグラフィックについて
今回開発に採用したUnityエンジンはパワフルなエンジンで、実際の作業的にプログラマーは大変で、まだアート関係とはすり合わせが済んでいません。
プロトタイプのグラフィックについては、街の道沿いの木の柵なんかは出来合いのものを流用しただけで、製品版とは志向するものが全く違います。
我々はアートスタッフやアート・コンセプトに絶大な自信をもっており、それを実現するツールやビジョンもあります。オリジナル・アートを忠実に再現しますよ。

CS:
資金調達の為にPaypal経由での出資も募ることにしました。KS終了後はPaypalの口座をオープンしますよ。

RG:
現在はKickstarterのみで出資を募集していますが(註:20134/7Kickstarterでの出資は締め切られました)、Amazon Paymentを経由したくない潜在的なユーザーも沢山いることがわかりました。将来的には公式サイトでの出資も可能にします(註:2013414日現在、公式サイトではクレジットカード・Paypalでの支払いを受け付けています)。
まだ公式サイトでの受付を始めてないのは、我々はKSだけでも目標額の達成は可能だと確信しているからです。
しかるべき時が来たときに、出資の手段を拡張しようと思っています。
イオロのビデオはまだアップしてなかったかな?(訳注:イオロ、David WatsonUltimaシリーズのミュージック・コンポーザー、またブリタニアの世界ではイオロという吟遊詩人のキャラクタとして登場している)

CS:
今その話をしようと思っていたところです。

RG:
デビット・ワトソン、Ultimaのイオロというキャラクターのリアルでの名です。
Ultimaではリュートをかなで、クロスボウを売っています。
リアルライフではテキサス州オースティンに住んでいて、リュートを聞かせてくれたり、自慢のクロスボウを見せてくれたりしますよ。
全面的な協力ではないですが、コミュニティにとって大きな役割を果たしてくれると思っています。
Kickstarterの出資に含まれるコンテンツ以外でも、公式サイトではさまざまなコンテンツを販売する予定です。
ではビデオ動画でイオロをご紹介しましょう、自慢のクロスボウの紹介や彼とのトークだけでなく、公式サイトでイオロのクロスボウを販売出来るようにするつもりです。
ビデオを見て頂ければ、クール&クレイジーでワンダフルな彼の性格が分かるとい思います。
では、すぐにビデオをアップロードします。

CS:
アップまで5分少々お待ち下さい。Youtubeにアップします。

RG: 
デニス・ルーベットについて
ええ、デニスはUltimaシリーズのカバーアートを担当した人で、機械仕掛けの装置のコンセプトアートのスケッチなんかもやってくれました。
彼は私の近しい友人で、今回もとお願いしたところ参加してくれる見込みです。

この携帯のケースを見て下さい、私はずっと独身で、秘密の通路などの仕掛け満載の屋敷なんかも作ってみたり、宇宙旅行にもいきました。
そんな風に50年間も青春をエンジョイしてしまっていたんですが、ついに結婚を決意させてくれるような女性に巡り会いました、もう彼女との子供も生まれてるんですよ。
娘のKingaです。生後8ヶ月になります。
こっそりゲームにも登場させようかなんて計画してますよ。
どうもありがとう。人生の残り50年はよきパパとしてやっていきます。

ゲーム中でもロード・ブリティッシュは結婚しますか?
これはいい質問ですね。リアルの方のロード・ブリティッシュ(=RG)は結婚したわけですが、おそらくロードブリティッシュも結婚するんじゃないでしょうか。
私が創造するバーチャルワールドは、常に地球とは別世界のものとして登場します。私やプレイヤーは、なんらかの理由でその別世界に足を踏み入れた地球人、という設定なのです。
このメタ手法は私が好んでいるもので、ナルニア国物語もこの手法ですね。
地球から別世界に入り込んでしまい、そしてその別世界でどれだけの時を過ごしても、地球に戻った時には地球での時間はほとんど経過していない、というものです。
この手法を気に入っている理由は、別世界で好きなだけ滞在出来るし、またポータルさえ見つけることが出来れば、地球に帰還することが出来る。という点にあります。
さらに自分が15年地球にいる間に、別世界では1000年間ほど経過させていることにして、同じ人物が1000年後の別世界を訪れる、という設定も可能だからです。
そしてこれはロード・ブリティッシュがブリタニアを永年治めている理由でもあります。
ブリタニアでは、我々とロード・ブリティッシュだけが同じ年の取り方をするのです。
もちろん今作のニュー・ブリタニアでも同じにね。
そう、プレイヤーとロードブリティッシュは、ニュー・ブリタニアにやってきた地球人なのだからね。
では、デイビット、こちらにきて自己紹介を。

*David Swofford(以下DS 入室*

DS:
ちょっと用事があって来たんだ

RG:
用事?

DS:
リックも呼んで、一緒に写真を撮ろうと思って。あと5分しかないし。

RG:
よし、じゃあみんなを呼んで。
今はアメリカセントラルタイムで4:48だ。あと5分くらいで片付けなきゃね。
みなさんご存じかわかりませんが、今、オースティンではSXSW(註:South by SouthWest、テキサス州オースティンで行なわれている大規模な音楽コンベンション。音楽の他に情報システムやコンピュータハード・ソフトウェアのコンベンションも行われる)が午後8時から開催されます。
そこのゲームエキスポでゲームデモを公開する予定なんです。
さあリックも来たね。ありがとう。
じゃあ、リックとBee、後は頼んだよ。
どうもありがとうみんな、じゃあ私はデイビットと一緒に行くよ。じゃあね、バイ。
じゃあ残り10分間頼むよ、私が出てった後は私の悪口はいくらでもいっていいしね。
じゃあね、サンキュー、サンキュ-、サンキュー。

*リックとBee入室*

RH:
やあ、覚えててくれてるかな、リックです。こっちはBee。では質問に答えていきましょう。

Bee:
うーんと…、グラフィックについて議論があるようだけど、今公開されているものはアルファバージョンですらないですね。ですから、これからのブラッシュアップでもっと良くなる予定です。
製品版では全く違ったグラフィックになるといっていいでしょう。
公開されている動画はあくまで試作段階のもので、他のシステムとのすり合わせや、実装する詳細なコンテンツを洗い出したりする為の骨組みに過ぎません。
Ultimaに必要なもの、そしてUltimaとして必要なもの、それらをフォーラムで議論して、私達にフィードバックを下さい。まだ詳細な回答は出来ないのですが、Kickstarterでの出資は、ユーザーが必要としているものを、開発以前にあらかじめ把握しておく為のものなのですから。

RH:
フォーラムでのコメントや質問はもっとも我々が必要としているものです。ユーザーからの直接の提案ですからね。デザイナーとして、リチャードとそのアイデアは惹き付けられるものがあります。
私は彼とあなたがたプレイヤーの手助けをしたいと思っています。
シングルプレイヤーゲームとしてのUltimaと、UOではそれぞれ違った楽しみ方がありました。
そして、今回はKickstarterでの出資金集め、そしてユーザーとの直接の対話、そしてリチャードとともにそれらをゲームへフィードバックさせる作業、とてもエキサイティングです。
まだまだ決めていくことは沢山あり、それらのやり方も数多くの選択肢があります。
現段階はプロトタイプのフェーズに過ぎず、あまりにも決めていかなければならない物事が山ほどあります。そしてシーンごとのグラフィック関係も詰めていくことが沢山あります。
しかし、それらをユーザーのみなさんと一緒に開発していけることはエキサイティングですね。

Bee:
ええ、公式サイトのフォーラムで、ユニティエンジンについて議論しているのを見ましたよ。
もちろんこれはPCゲームのプラットフォームを第一に考えてのもので、MACにもコンパイルすることが容易なんです。

RH:
ええ、コンパイルに時間を掛けたくはありませんからね。
Portalariumでの仕事は、そしてリチャードとともに仕事が出来ることは本当に素晴らしく思っています。大規模な開発環境に身を置くよりも、少数精鋭としてまとまった今のチームの方が、自分の創造性の広がりを感じます。
交流も無しにただ座って仕事をするだけじゃ、本当に必要なものをフィードバックから洗い出したり出来ませんからね。自分一人では見えない視点もあるということです。
あ、First-Responderが定員に達しましたね。すばらしいニュースだ!

シングルプレイヤーについての質問…、喜んでお答えします。
まず、フレンドとの共通の体験を分かち合うということについてお話します。
私には兄弟がいるのですが、そしてまた体験を分かち合いたい友人もいます。
過去10年間MMORPGをプレイしてきて、何がゲームに必要なのか、そして何が要らないのか、という自分の中の考えが、それがリチャードのto do リストにあるのと一致していたんですね。

Bee:
フェイスブックやチャット等、色んな媒体を通してフィードバックがあります。
多方面からゲームの開発を支える為にこのプロジェクトに関われる要素を増やしていきますよ。
開発者ブログや要望のあったMODツール、これは予算次第では実現する予定です。

RH:
(オンライン)シングルゲームとマルチプレイヤーゲームではバランスはどうなるのですか?
シングルとマルチで完全に分ける仕様にはなりません、シングルで行った行為の影響がマルチプレイヤーゲームでも反映されるようにしたいと思っています。
質問がいっぱいありますね、今日は凄い数だ。
同じプレイヤーでも善人プレイ・悪人プレイの二面性をもっていると思いますが、今作ではそういったペルソナを持たないような方向に調整する予定です。

Bee;
オンラインプレイでのチート対策について
技術的な問題なので、現段階では込み入った回答ができませんね…
凄い質問の数だ。助けて。

RH:
トルコ語のサポートについて、という質問が2人のユーザーからあるね。
トルコ語だけでなく、他の言語のサポートも技術的には問題ないです。
出来る限りの言語の対応を目指しています。

Bee:
NPCの生活スケジュールについての質問が沢山あるね。
リアルタイムに息づく世界、突如降ってくる隕石とか。

RH:
お答えします。NPCのスケジュール設定は、私のお気に入りのシステムです。
通りを歩く女性のキャラクター、その女性キャラクタにはちゃんと帰る家があって、どこに住んでるのかもプレイヤーは知っている、こういった要素は世界のライブ感を盛り上げますね。
このゲームには大切な要素です。今までにないクオリティにする予定です。

Bee:
PvPについても議論があるようですね。
プレイヤーにも様々な人がいます、ソロプレイに徹する人や、PKが大好きな人、それぞれのプレイスタイルを尊重できるような形にしたいと思っています。
MMOスタイル以外でのフレンドとの協力、ソーシャルサイト等を通してとかね。
もちろん強制でなく各自が自由に、というスタイルで。

RH:
もう時間切れだ。素晴らしい時間をどうもありがとう!

*End of Video*

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