Deep Dive - Hangout of the Avatar ~ Nature to Nutrition


今回のハングアウトでは食べ物とその効果の仕様について語られています。
また、動画のタイトルには表記されていませんが、今回のハングアウトはいわゆる"Deep Dive"の回となります。
前半は基本的な仕様について、後半ではコミュニティから寄せられた質問への回答という構成になっています。

以下は動画の内容の要約となります。

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・これから話すゲームのアイデアや数字などはまだ決定したものではなく、変更の可能性が十分にあります。

・クッキングスキルは他のスキルと同等の構造をもち、スキル的な重要度もまた同等である。また素材や調理器具の調達など、他のクラフトスキルと同じような奥深さを持つ。

・従来のゲームでは食べ物はただの回復アイテムとして機能するに過ぎなかったが、SotAでは今までのゲームとはちがう役割を持たせる。

・食べ物は化学的に考えると、水・タンパク質・炭水化物・脂質のミクスチャーである。いずれの食べ物も比率こそ違うものの、この4大要素によって構成されている。

・SotAでは食べ物の栄養素である、タンパク質、炭水化物、脂質がそれぞれフィーチャーされる。

・ボディービルダーがタンパク質を必要とするように、SotAにおけるタンパク質は、STRの値と自動回復の速度に影響を与える要素になる。

・脳の主な栄養源はシュガー(グルコース)でありその供給源は炭水化物である。SotAにおける炭水化物は主にメンタルを司る役割を担い、INTの値とフォーカスの自動回復速度に影響を与える要素になる。

・脂肪はゆっくりエネルギーへと代わり、長期間の活動においてのエネルギー切れを防止する。SotAにおける脂肪は、主に移動や戦闘でのスピードの低下を防ぐ役割を担う。

・食べられる量の限界値の概念がある。胃袋の限界を超えて食べるとリバースしてしまうので、どの食べ物をどれくらい食べるかをよく考える必要がある。

・アルコールの概念が存在する。摂取量が一定の値を超えると酔い状態となり、視界がボヤけるなどのデメリットが発生する。その状態からさらにアルコールを摂取して限界値に達すると、リバースしてしまう。
ポーションにはアルコールが含まれる。

・水分も栄養の1要素としての役割を担う。水分は生存に関して重要なファクターとなる。

・食べ物には消費期限の概念がある。生の素材は腐り易いが、調理することによって消費期限を延長することができる。

・ゲーム内には季節の概念がある。ある季節の時にだけ実をつける植物が存在する。その季節以外はその植物の実を収穫することはできない。
魚にもある季節しかエサに食いつかない種類のものがいる。
また、一部の生物は休眠や冬眠をする。
同じシーンでも天候によって出現する生物が変わったりする。例えば、釣り餌用のイモムシは雨の日だけ地上にでてくる、など。

・現在の構想では、特定の飲み物とその容器は対となっている。たとえばワインならばゴブレット(杯)、ビールならマグカップ、ウイスキーならジョッキ(jug)、など。


■ユーザーコミュニティとのQ&A

Q: 実際のところ、食べ物がゲームに与える影響はどの程度のものになるのですか?あまり複雑なものだとゲームプレイの支障になるのでは?

まずゲーム内の時間経過のところから説明します。
ゲーム内の1日はリアル時間で2時間に相当します。よって、リアル時間の1時間で三度の食事を行う必要があるように思えますが、ゲーム内での1日(リアル時間で2時間)を過ごすのに必要な食事は1回で十分です。
また、"お腹が空く"のもゲーム内での一日で一回だけです。
また、食事は5日分を食いだめすることが可能です(最大で10時間は食事をする必要がない)。


Q: 食べ物を缶詰にするなど、保存期間を長くするようなことはできますか?

現在のレシピデータにはそういったものはないのですが、食べ物の保存期間を長くするようなアイデアは取り入れていく予定です。
また、メイプルシロップやハチミツといった加工しなくても最初から保存期間が長い食べ物もあります。
また、お酒の熟成といった概念も導入したいですね。
たとえばウイスキーをタルに寝かせておくと、熟成時間に応じて効果や価値が変化していくようになります。


Q: 食べ物のアイテムに制作者の名は入りますか?また、その際にそのアイテムはスタックすることが可能ですか?

まずクラフトされたアイテムは"完成品"にのみその製作者の銘が入るようになります。
ある剣を作る際には、完成品にのみその銘が表示され、各パーツである剣のツカやブレードの部分には銘は存在しません。
食べ物の場合にもアップルパイといった完成品にのみ制作者の名前がつくようになります。

しかし、アップルパイを食べるために切り分けてしまうと、そのパイの一切れ一切れには制作者の銘は表示されません。
ワインなどのお酒も同様で、ボトルの時点では制作者の銘が表示されていますが、封をきってワイングラスに注いでしまうと、そのワインの入った状態のワイングラスには制作者の銘は表示されません。
また、切り分けられたアイテムや、グラスに注いだ状態になったアイテム、すなわち銘のデータが消えた状態のアイテムはスタックアイテムとなります。

#補足:銘入りのアイテムはスタックしない。逆にスタックアイテムに銘は入らない。しかし、銘入りのアイテムをスタックアイテムに変化させると、効果は継承されるが銘のタグは消滅する。


Q: クッキングステーションで調理するのと、キャンプファイアで調理するのでは、できあがる料理のクオリティに差はありますか?

その問題についてはまだ仕様が定まっていません。
キャンプファイアを低レベルのクッキングステーションとして扱うのか、それともグリル調理のみができるクッキングステーションとして扱うのか、まだ検討が必要ですね。


Q: 同じ食品であっても、食べる時のコンディションによってその効果が変化したりすることはありますか?例えば空腹時にアルコール入りのポーションを飲んだ時など。

現在の想定では、答えはNoです。
しかし非常に面白い提案だと思います。
現在の仕様では、胃袋の中の食べ物の各値(タンパク質・炭水化物・脂質・水分・アルコール)のバランスと総量によって効果が発生し、時間経過によって胃袋内の食べ物の量が減っていくというシステムになっています。


Q: オフラインの状態では、胃袋の中の食べ物はどうなりますか?


胃袋の中の食べ物はログインしている間のみに消費されます。
なぜなら、アバタールはあなたがニューブリタニアにやってきた時の姿ですからね。
ですからオフライン中は胃袋の中の食べ物は減る(消化される)ことはないでしょう。


Q: 偏食によってある栄養素が欠乏した時に、なにかデメリットはありますか?

現在の想定では摂取する食べ物の栄養素が極端に偏った時でも、とくにデメリットが発生することはありません。
あと、常に食べ過ぎの状態が続くとだんだんキャラクターが太っていくようになるのも面白いかもしれませんね。
現在の仕様ではおなかまわりの肉の設定はないのですが、やろうと思えば導入は可能です。
キャラクターのサイズが変わっても、服や鎧は自動的に自分の体型にフィットしたものになるので、太ったからといって買い換える心配はありません。


Q: あぶないキノコを食べると幻覚状態になって画面がカラフルになったりしますか?


するかもしれませんね。


Q: 食べ物に消費期限があるそうですが、それぞれの鮮度の状態が違っていてもスタックアイテムになるのですか?

素晴らしい質問ですね。現在考えている仕様では、たとえば、新鮮なリンゴと古いリンゴがあったとしても、それらを一緒にしてスタックアイテムにすることが可能です。
そしてスタックした状態であっても、それぞれのリンゴの鮮度はちゃんと個別に判定されていて、そのスタックされたリンゴを消費する際には鮮度の悪いものから自動的に消費されるようになります。
また、リンゴが完全に腐ってしまった場合はスタックされずに別のアイテムとして判定されます。


Q: 衛生状態の悪い場所に食べ物をおいておくと、ネズミや害虫によって食害が起ったりすることは?

面白いアイデアですね。エピソード1での実装は予定されていませんが、なんらかの形でそういった要素を取り入れてみても面白いかもしれません。


Q: 一本のワインボトルを注ぐと4杯分のワインができるそうですが、3杯分だけ注いであまった分をボトルに保存しておく、といったことは可能ですか?

いいえ。現在のアイテム仕様ではワインボトルを注ぐときは全ての量を(4つの)ワイングラスに注いで、ボトルの中身をカラッポにする必要があります。
例えば、手元に空のワイングラスを4つ用意してからワインボトルを使用すると、4杯の中身の入ったワイングラスと空のワインボトルに変化します。


Q: WoWの経験からいうと、結局SotAでもほとんどのプレイヤーがバフ効果の高い同じ食べ物ばかり食べる、ということになりませんか?

SotAでは三大栄養素(タンパク質・炭水化物・脂質)の他に、水が重要な役割を果たします。
もしあなたがファイターならばタンパク質をたくさんとればいいわけです。
その際に、水分を多く含んだ食品よりも、嵩の少ない乾燥したビーフジャーキーをたべるほうが胃袋の中にたくさんのタンパク質を詰め込むことができます。
しかし、その際に胃袋の中の水分量が少ないと本来もっている食べ物の回復効果の効率が落ちてしまうという仕様になっています。
ですから、三大栄養素の他に、水分量も勘案して食事のメニューを組み立てる必要が出てくるでしょう。

さらにダンジョンレーションと称するバフ効果の高い食べ物も存在しますが、これらの食べ物は材料にヒーリングポーションが必要になるなど、非常にコストが高いものになっています。
ですから、プレイヤーはいつも同じ食べ物を食べるようなことにはならず、用途に合わせて必要な食べ物は変わってくるでしょう。


Q: アイテムに制作者の銘を入れることができるそうですが、たとえばレストランの名物料理のように、あるアイテムに特別な名前を冠することはできますか?

可能性はありますが、既存の名称との重複の問題があるので、プレイヤーが自由にアイテムに名前をつけられるという形式にはならないでしょう。


Q: クラフトレシピに載っていないメニューはクラフトすることができないのですか?

こちらのレシピデータにのっていない特定メニューの作成(たとえばパイとリンゴを組み合わせてアップルパイをつくるなど)を多くのプレイヤーが試行した場合、そのログデータを分析し、その特定のメニューを正式なクラフトアイテムとしてゲーム中のレシピデータに追加していきます。
NPCとのチャットにおいて、プレイヤーがどういった会話を試みているのかといったデータや、プレイヤーが新しいアイテムの作成のためにどのアイテムを組み合わせてクラフトを試行しているか、といったデータはすべてこちらで把握しており、よりスマートなNPCの会話バリエーションや新しいクラフトアイテムメニューの実装に役立てられています。
しかし、新しく実装されたレシピデータは公表されることはありません。
新しいクラフトレシピデータを発見するには、プレイヤー達の試行が必要になるでしょう。


Q: 高いクッキングスキルを持つプレイヤーがレストランを経営できるようなプレイは可能ですか?その際に、食料を保存することのできる冷蔵庫のようなストレージがあると便利だと思うのですが。


SotAでは中世的な世界観だけではなく、一部のテクノロジーも存在する世界です。
大きな都市では水力・風力・地熱発電でエネルギーがまかなわれていたり、アバターラジオのようなテクノロジーが存在したりしています。
冷蔵庫のアイデアも、プレイヤーのレストランのアイデアも非常に面白いと思います。
また、食材を冷やすためのエネルギーの調達にコストを課すというのも、ゲーム内経済を広げる要素になるかもしれませんね。
たとえば冷蔵庫を稼働させるのにある媒体が必要で、その媒体の購入や入手にコストが必要となる、といった具合です。
このシステムの実装には、技術的な問題はないと思います。

ゲーム内レストランに関しては、プレイヤーがメニューから好きな物を選んで(戦士なら肉料理を、パラディンならタンパク質と炭水化物のバランスに優れたものを、など)、給仕に注文して料理を出してもらう、というシステムが実装できれば面白いですね。


Q: 食材だけでなく、秘薬なども冷蔵庫で保存する必要がありますか?

さまざまな材料の中には、低温で保存する必要があるものも存在します。
冷蔵庫のアイデアのほかに、我々は地下室をアイスセラーとして使うことができるようにしたいと思っています。
山から氷のブロックを採掘し、溶けないうちにアイスセラーに保管してエネルギーは必要ない冷蔵庫として使用することができます。
このシステムなら、氷の売買といったあらたな経済分野を増やすこともできます。


Q: 一部の地域でのみ収穫できる食材などは?

現在のところ、マップの地形タイプによって存在する食材や資源が決定されていますが、それに地域性の概念(北方や南方の気候)を取り入れるのも面白いかもしれませんね。


Q: 摂取した各栄養素の消費レートは、そのプレイヤーの行動によって変わってきますか?戦士とメイジの中間的なキャラクターは、タンパク質と炭水化物をバランスよく取る必要があるのですか?

ええ、中間的なクラスのキャラクターは、メニューの栄養素のバランスを考える必要がありますね。また、プレイヤーの取った行動によっても、栄養素の消費レートは変わってきます。
消費レートに関しては、戦闘系のスキルを使えばタンパク質を、魔法を多く使えば炭水化物の消費レートが多くなるようになります。


Q: ゲーム中の食べ物の重要度はどの程度になるのでしょうか?戦闘中に空腹状態になったり、クエストの遂行中に手持ちの食料が尽きてしまったりした場合、どういったデメリットが発生しますか?

まずはじめにいっておかなければなりませんが、SotAでは空腹状態であってもデメリットは発生しません。
あくまで食事をすることによってバフ効果を得ることができるという仕様です。
空腹状態はゲームの進行を妨げるような要素にはならないでしょう。
また、ポーションの仕様についても触れておきましょう。
強力なポーションを作成するにはアルコールを添加しなければならないようになるので回復のためにガブ飲みすると酔い状態になってしまいます。
アルコールの量によって、連続使用に制限が課されることになると思います。


Q: 食材の消費期限はどうやって知ることができますか?また、料理のスキルのレベルによって、同じ食べ物でも消費期限を伸ばしたりすることが可能ですか?

まだ仕様が決定していないので、正直にいえばその問題へ回答することができません。
ただ、プレイヤーが買い物をするときに、食べ物の消費期限をいちいち気にしながら買わなければならないような仕様にするつもりはありません。


Q: 腐敗した食べ物を食べることによるデメリットにはどのようなものがありますか?

腐った食べ物による害は、毒状態より軽いものになるでしょう。


Q: 独自に食材を組み合わせて、まったく新しい料理を作ることは可能ですか?


いいえ。すべてのクラフトメニューのレシピは開発チームの承認の下にゲームに実装されます。
というのも、クラフトはゲーム内経済と密接に関わっているので、使用される材料や効果をよく吟味してから投入する必要があるからです。


Q: プレイヤーがクラフトしたアイテムに銘だけでなく、ちょっとした説明書きのテキストの情報を添えられるようにしてはどうですか?

面白い提案ですね。
しかしシステムとして自由にテキストを添えられるようにするよりも、本や書類といった既存のシステムでそれをまかないたいと思っています。


Q: 料理を食べるときに、イスなどに座る必要はありますか?

まだ決まっていませんが、食べ物によって変わってくるようになるかもしれませんね。
リンゴは歩きながら食べられるけれど、お皿に盛った料理は座る必要がある、など。

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#栄養素の概念などUOよりも細かな仕様となっていますが、食べ物の実用的な役割はUOと同じくそれほど重要なものにはならないようです。
ポーションの使用制限にクールダウンタイムではなくアルコールと酔いの概念を持ち込んだのは面白そうですね。

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